キャリアブレイクを経て再スタートを切ろうとする時、履歴書を前にどうしても気になるのが「空白期間」ではないでしょうか。例えば、「この期間をどう説明すればいいのか」「マイナス評価になるのではないか」と不安ですね。確かに、従来の採用方法では職務経歴に空白期間があるとネガティブに捉えられることもありました。しかし、時代は変化しています。人材不足の深刻化や組織の活性化のために、企業は多様な経験を持つ人材を求めるようになり、むしろ、キャリアブレイク期間に得た学びや経験を高く評価する傾向が強まっています。この記事では、実際にキャリアブレイクの経験をポジティブに捉え、単にブランクではなくブレイクだったことをアピールするために履歴書を「強み」に変え、再出発を成功できるよう徹底解説します。
1、ブランクをブレイク期間として「自己成長」を物語で伝えます
(1)特に具体的な成果を残せなかった場合
キャリアブレイク期間に色々チャレンジはしたけど特に具体的な成果を残せなかった、、。それで、履歴書に書ける内容が無く、単に休養していただけと捉えられてしまうのではないかと不安に思っている方いませんか?。しかし、”何も残せなかった”とは自分の感想であり、実は、貴重な体験をたくさんしているものです。資格習得などのスキルアップだけが有効なキャリアブレイクではありません。
「休養」は結果であり目的、経過、原因を強調することで受け取り方が変わります。以下の図をご覧ください。これはいつも参考にさせてもらっているキャリアブレイク研究所のサイトに掲載されているアンケート調査結果から目的、経過、原因に焦点を当ててみると、「整える、深める、広げる、繋げる」のキーワードが見えてきます。
引用元:誰にでも起こり得る離職・休職=「キャリアブレイク」中にして良かったことの100人調査実施<キャリアブレイク研究所>
単に「休養」と書きたくない悩みを、その期間は「自己成長のための充電期間」として捉え直し、「振り返りによる言語にする」のために「何に時間を使ったのか」「どのような気づきや感動、学びがあったか」を具体的に書き出すと「整える、深める、広げる、繋げる」のどれかのキーワードに関係した体験をしたことが見えてきます。
【体験談1】1ヶ月間の車中泊旅行をしたこととボランティアに参加
○○年○月~○○年○月キャリアブレイク(充電) 期間に車中泊しながら○○県○○市へ向かいました。途中、無料キャンプ場の清掃ボランティアを通してその地域の方々のコミュニティに参加した経験は、いろんな方々がコミュニティ内で向き合い、来場者のためにキャンプ場を管理するために、協力し合う大切さを体験できました。これは会社内組織においても同じで、プロジェクトにスタッフ同士が向き合い、成果に向けて協力し合うことに活かせられると考えています。
【体験談2】自己分析してキャリアプランの見直し
○○年○月、○○株式会社の適正検査を受けこれまでのキャリアを振り返るために、自身の強みや弱みを把握し、今後のキャリアプランについて深く見つめ直しました。
その結果、ワークライフバランスを考慮した営業職の人材開発やマネジメント職への挑戦といった新たな目標が明確化でき、貴社での仕事を通して実現したいと考えています。
【体験談3】スキルの棚卸しと定着
○○年○月~○○年○月間、今までの業務で何気なく使っていたスキルを見直し、不十分なことは独学して成果としてポートフォリオを作成しました。
①Office PowerPointを使って○○年○月~○○年○月間のキャリアブレイク(充電) 期間の車中泊旅行、無料キャンプ場の清掃ボランティアの成果として、地域コミュニティの大切さについて資料を作成しました。
②Office Excelの4大機能(関数、グラフ、データ処理、表作成)とマーケティング手法を使い、車中泊やアウトドアの今後10年間の市場動向を分析しました。
③WordPress+ChatGPT+Canvaを使い「キャリアブレイク」をジャンルにしたブログサイトを立ち上げ、貴重な○○間を体験型ブログとして運営してきました。
④SNS(X、Instagram)で「キャリアブレイク」ブログへの集客をしたことで、ブログ記事が商品でSNSがブログ記事を読んでもらう人を集める宣伝広告/営業活動である関係がわかりました。
【体験談4】頚椎損傷へのリハビリ
○○年○月、親戚の引越しの手伝い中に頚椎を痛めで、特に首から肩、腕の痺れと痛さがあり、日常生活も不自由な状態だったので○○年○月から半年間離職しました。その間、リハビリ、整体などで体調を整え「心身ともに健康を取り戻し、万全の状態で仕事に取り組めるようになりました。」
(2)企業求人キーワード(欲しい人材、人物像)の活用
企業が求める人物像を事前調査し、そのキーワードと関連付けながら自己成長を語ることで、採用担当者の関心を引く話題に進めます。
【体験談5】もし企業が「主体性」を求めているなら
「自己分析を行い、キャリアプランを見直すことで、主体的に行動できるようになった」とアピールします。
【体験談6】「チャレンジ精神」を求めているなら
「今まで経験したことのない分野に挑戦し、新たなスキルを習得した」と具体的にアピールしましょう。
(3)ストーリーテリング(物語を語って伝えること)
キャリアブレイク期間を単なる事実の羅列ではなく、ストーリーとして語ることを意識しましょう。「なぜキャリアブレイクを決意したのか」「その期間に何を得たのか」「それらがどのように今後のキャリアに活きるのか」を、一貫性のある物語として語ることでより説得力が増します。
ストーリーテリング(物語を語って伝えること)は、相手に伝えたい思いやコンセプトなどを、それを想起させるような印象的な体験談あるいはエピソードなどの「物語」を引用し、例示することで聞き手に聞かせ、印象付ける手法のことです。近年ではマーケティング手法としても知られ、ビジネスにおいても、 組織DNAや価値観、想いや魂、暗黙知などを伝え合い、共有するなどの意味でも大切とされています。
(4)職歴欄の工夫でキャリアの連続性を強調
ブランク期間が目立ちすぎて職歴に自信が持てない場合でも、書き方を工夫してキャリアの連続性を強調します。年月ではなく年単位で職歴を記載することで、短期間のブランクを目立たなくすることができます。また、職歴と職歴の間にブレイク期間で活動した内容を入れるとキャリアの流れをスムーズに見せることができます。
【体験談7】ブランク期間に実際の活動内容
- 2019年〜2023年:〇〇会社勤務
- 2023年〜2024年:地域ボランティアに参加して外国人に日本語を教えました
- 2024年〜現在:求職活動中」
(5)具体的な活動をしていない場合
正直に、そして前向きな姿勢を示すことが大切です。空白期間をマイナスに捉えず、応募企業にとってプラスになるような視点で表現しましょう。スキルアップのために独学で勉強したのであれば、「〇〇の知識を習得し、実務に応用できるようになった」など、具体的な成果を記載しましょう。
【体験談8】スキルアップに励んだ
○○年○月~○○年○月スキルアップ期間として 一時的に仕事から離れ、今後のキャリアのために必要な知識・スキルの習得に専念しました。具体的には、○○(例:マーケティング、語学など)に関する書籍を読んだり、オンライン講座を受講しました。
(6)ブレイク期間を正直に具体的に説明することはプラス評価
履歴書に空白期間があると、採用担当者に「なぜ?」と疑問を持たれてしまい不安になります。しかし、相手には就職したい熱意を評価してもらうためにも「特に何もしていません」と書くことは避けます。では、、どう書けばいいでしょうか?
実際に、キャリアブレイクの内容は業務に関連付けることを意識して具体的に記述しましょう。
【NG例】 20XX年X月~20XX年X月 〇〇のため休職
【OK例】 20XX年X月~20XX年X月 〇〇のため休職し、休職中は、家事・育児に専念していました。限られた時間の中で効率的に家事や育児を行うために、タイムマネジメントや計画性を意識しました。いつもは妻に任せっきりことがこんなに大変なことなんだと改めて感謝の気持ちが湧いてきました。会社組織においてもバックヤードの方々の日常業務があるからこそ、フロントヤードは顧客対応に専念できるのだと思いました。
休職理由に加えて、その期間に取り組んでいたこと、得られたスキルを具体的に記述しています。このように、ブランク期間を単なる空白期間としてではなく、スキルアップや気づきから自己成長の期間として捉え直すことが大切です。
(7)押さえたいポイント
【Point1】ブレイク期間の長さ、理由、どんな気づき、成果があったか詳細に記載します。
【Point2】ネガティブな表現は避け、前向きな言葉を選びます。
【Point3】ブレイク期間中に得られたことや仕事への応用から意欲を具体的に記載します。
【Point4】応募企業を事前調査し企業の求める人物像や仕事内容と関連付けるようにアピールします。
【Point5】「休養」であっても何か得られたことで自己成長したことを記載します。
2、「スキルアップ」を履歴書に明記し面接で活用する原稿作り
キャリアブレイク期間中にスキルアップのために勉強し資格取得を目指したものの、職務経歴との関連性が見えにくいと感じたとしても、具体的に資格取得やボランティア活動などに取り組んだ経験は漏れなく記載します。
業務への必要性は自身では判断せず採用担当者が判断することです。むしろ、大切なことは「これだけのことをブレイク期間中にした」ことを履歴書に書きアピールします。
企業側がキャリアブレイク経験者を採用する際のチェックポイントは【知っておこう!】キャリアブレイク者チェックポイント、会社側意識で詳しく説明していますのでご覧ください。
転職体験者が5つの事前準備について【徹底解説】60歳定年退職、転職者実体験から失敗しない事前準備5つ体験談を説明しています。事前準備は年齢に関係なく押さえておく部分は同じですので参考になります。ぜひご覧ください。
(1)スキルアップの努力は漏れなく履歴書でアピールします
取得した資格や習得したスキルは、正式名称と取得年月を正確に記載します。例えば、資格やスキルが複数ある場合は、職務経歴との関連性が高いものから優先的に書きます。特に、企業が求めるスキルと合致するものであれば積極的にアピールします。
(2)応募企業に関連づけた人物像になります
ブランク期間中の経験を通して得られたスキルや知識を、応募企業の求める人物像と関連付けてアピールします。
【NG例】 地元の自治会に所属しボランティア活動に積極的に参加していました。
【OK例】 地元の自治会において、イベント企画や運営に参加し、地域の方々と協力しながらイベントを成功させるためにアイデアを出し合いました。 更に、ボランティア活動を通して、コミュニケーション能力や問題解決能力を培いました。
単に活動内容を羅列するのではなく、特に「どのようなスキルを身につけることができたのか」を具体的に記述しています。企業は応募者の経験が自社内でどのように活かせるのかを知りたいと考えています。
(3)学習内容と成果
資格取得のために学習したが力及ばす取得できなかった場合も諦めないで下さい。実際に学習した内容や学習過程で得られた成果、気づきなどを具体的に記載しましょう。
【体験談9】どのような業務に貢献できるのか?
「〇〇の資格を取得するために、〇〇時間学習し、〇〇の知識を深めました」と、学習時間や具体的な成果を記載することで、学習意欲やスキルアップによって、どのような業務に貢献できるのかを具体的に示すことで、採用担当者の興味を引くことができます。
(4)履歴書の2強(自己PR、志望動機)の一つ「自己PR」と連携させる
履歴書の右下になんとなく「自己PR」と「志望動機」の枠があります。これは履歴書の2強と言われるほど大切です。つまり「自己PR+志望動機=企業が欲しい人物像」になることで採用の可能性が高くなります。
履歴書フォームのワケについて【シニア履歴書】60歳定年退職だからこそ書けるテンプレートがあるで詳しく説明していますので是非ご覧ください。
「キャリアブレイク期間中に〇〇のスキルを習得し、貴社では〇〇の業務で貢献できると考えております」とすることで、企業への貢献意欲とスキルを自己アピールできます。実は、スキルアップした内容以上にその背景にある「成長意欲」や「学ぶ姿勢」をアピールすることも大切なことです。
【体験談10】海外ボランティア活動に自己成長内容と自己PRを連携させます
海外ボランティア活動で異文化理解とコミュニケーション能力が向上したことを自己成長内容と自己PRを連携させます。
【体験内応】東南アジアの発展途上国で、現地の小学校建設プロジェクトにボランティアとして参加し、現地の子供たちへの教育支援、地域住民との交流、建設作業の補助などを行いました。
【自己成長】異なる文化や価値観を持つ人々との共同生活を通して、異文化理解が深まりました。英語や現地の言葉でのコミュニケーションに挑戦することで、コミュニケーション能力が向上しました。限られた資源の中で最大限の成果を出すための創意工夫や、チームワークの大切さを学び、困難な状況にも柔軟に対応できる適応力と、問題発見と解決能力を養うことができました。
【自己PR】異文化理解力、コミュニケーション能力、適応力、問題解決能力、チームワーク力、多様な価値観を理解し、異なる背景を持つ人々とも協力して仕事を進めることができ、困難な状況にも前向きに対応し、課題解決に向けて積極的に行動できます。
【体験談11】ITスキルを習得しキャリアチェンジ
プログラミング学習でITスキルを習得しキャリアチェンジの足がかりになったことを自己成長内容と自己PRを連携させます。
【体験内容】オンラインプログラミングスクールを受講し、Webアプリケーション開発の基礎を学習し、個人でWebサイトや簡単なアプリケーションを開発し、ポートフォリオを作成しました。更にプログラミングコミュニティに参加し、他の学習者と交流や情報交換をしました。
【自己成長】プログラミングの基礎知識と、Webアプリケーション開発のスキルを習得し、論理的思考力、問題解決能力、自学自習能力が向上しました。情報収集力、アウトプット能力、継続的な学習意欲が身につき、IT業界へのキャリアチェンジの可能性が広がりました。
【自己PR】プログラミングスキル、論理的思考力、問題解決能力、自学自習能力し、新しい分野にも積極的に挑戦し、自己成長に繋げる意欲があります。IT業界での活躍を目指し、常に新しい知識や技術を習得しようと努力しています。
【体験談12】全国をバイク旅行中で新たな視点や価値観を発見したことを自己成長内容と自己PRを連携させます
【体験内容】日本全国をバイクで旅し、各地の文化、歴史、自然に触れ、各地のローカルフードを堪能し、その土地の人々と交流しました。旅の記録をブログやSNSで発信し情報共有をしました。
【自己成長】日本各地の多様な文化、歴史、自然に触れることで、実際に視野が広がり、新たな価値観を発見する旅でした。異なる環境や価値観を持つ人々との交流を通して、コミュニケーション能力が向上しました。旅行プランの作成、トラブルへの対応を通して、計画力、問題解決能力、判断力が向上、旅先での出会いや体験を通して、自己理解が深まり、人生観が豊かになりました。
【自己PR】多様な価値観を受け入れる力、コミュニケーション能力、計画力、問題解決能力、自己理解力を改めて感じました。変化を恐れず、積極的に行動する力があり様々な視点から物事を捉え、柔軟な発想ができます。
【体験談13】自己啓発セミナーや読書を通し、リーダーシップや自己管理能力向上を自己成長内容と自己PRを連携させます
【体験内容】リーダーシップに関するセミナーに参加し、リーダーシップ理論や実践方法を学習しもっと知識を得たかったので自己啓発に関する書籍を読み、自己分析や目標設定の方法を学びました。実際に学んだことを実践に移し日々の行動との関係性を記録、振り返りを行いました。
【自己成長】リーダーシップ理論を学習しチームを率いるための基礎を理解しました。そして、自己分析を行い、自分の強みや弱みを改善しながら目標を設定することができました。目標設定能力、計画実行力、自己管理能力が向上し、主体的に行動し目標達成に向けて努力することができるようになりました。
【自己PR】リーダーシップ能力、自己分析力、目標設定能力、自己管理能力が身につき、具体的に主体性を持って行動し、チームをまとめて目標を達成するために、常に自己成長を意識し、目標達成に向けて努力する意欲があります。
【体験談14】地域のNPO活動に参加し、社会貢献への意識を高めたことを自己成長内容と自己PRを連携させます
【体験内容】地域のNPO団体が運営するイベントの企画、運営にボランティアとして参加し地域の課題解決に向けた活動に参加し、地域住民と交流しました。NPO団体の広報活動をサポートし情報発信をしました。
【自己成長】社会貢献への意識が高まり、地域社会の一員としての自覚を持つことができました。イベントの企画、運営を通して、企画力、実行力、チームワーク力が向上し、地域住民との交流を通して、コミュニケーション能力、共感力、傾聴力が向上しました。社会問題に対する理解が深まり、問題解決に向けて積極的に行動することができるようになりました。
【自己PR】社会貢献意欲、企画力、実行力、チームワーク力、コミュニケーション能力、共感力を身につけ、どんな社会問題にも関心を持ち、課題解決に向けて積極的に行動できます。他者への貢献意欲が高く、チームで目標達成に向けて努力することができます。
(5)履歴書の2強(自己PR、志望動機)の一つ志望動機はキャリアプランを明確に
なぜ、今なのか?と質問された時、明確な意思表示でブランクをカバーします。
転職活動で「今の時期になぜ転職したいのか?」「ブランク期間を経てどのようにキャリアを築きたいのか?」についてどのように書けば効果的でしょうか?
【体験談15】志望動機の書き方
〇〇(経験例)を通して、〇〇(スキル例)を磨いてきました。貴社では、これまでの経験を活かしながら、〇〇(職務内容例)に携わりたいと考えています。特に、貴社の掲げる「〇〇(企業理念)」に共感しており、貢献したいと考えています。←このように、「〇〇」の部分に一貫性を持つことで、スキルのコアの部分(強さ)が明確になります。
【体験談16】キャリアプランの書き方
まずは、これまでの経験を活かし、□□(職務内容例)で早期に戦力となれるよう尽力します。将来的には、△△(スキル例)を習得し、将来的には〇〇(目標とするポジション)を目指したいと考えています。←このように、即戦力となりながら新しいことにチャレンジし将来の目標を明確にします。なぜなら、企業側は応募者が「なぜウチの会社で働きたいのか」「どのようなビジョンを持って働きたいのか」を知りたいと考えています。ブランク期間があったとしても、あなたの熱意を伝えることが大切です。
3、 「キャリアの棚卸し」で価値を再発見
キャリアブレイク期間が長くなると、自分のキャリアが実業務と遠ざかり、今でも通用するだろうか?と自信を失ってしまい、何をアピールしたらいいのか分からなくなってしまう方が多いです。このようにならないためにも、キャリアブレイクを始めたら早い時期に自分のキャリアを棚卸しし、「キャリア迷子」にならないように以下の3点を行います。
(1)自己分析の徹底
過去の職務経歴を振り返り、実際にどのような業務経験やスキルを持っているのかを洗い出します。なぜなら、業務中は長い期間をかけて何気なくしていたこと、実は凄いスキルかもしれません。実は強みや弱み、得意なことや苦手なことを客観的に分析し自己理解を深めることで、自分の価値観や興味、関心のあることを言語化します。
(2)キャリアの再構築
自己分析の結果に加えて、キャリアブレイク期間中に得た学び、気づき、経験などを、どのように今後のキャリアに活かしたいのかを具体的に考えましょう。キャリアプランを明確にする=企業側が応募者に持つ疑問(「なぜウチの会社で働きたいのか」「どのようなビジョンを持って働きたいのか」)であり、履歴書に書ことで内容に一貫性が生まれ採用担当者への説得力が増します。
(3)アピールポイントの明確化
最後に、自己分析+キャリアプラン=自己PRとして企業側にアピールできるポイントを明確化します。この時、応募先企業がどんな人材を探しているか?徹底した事前調査を行い、企業が求める人物像と合致するポイントを重点的にアピールすることがポイントです。
4、「ポジティブな言葉」で印象を塗り替える
キャリアブレイク期間を説明する際に、どうしてもネガティブな言葉になり印象が悪くなってしまうのではないかと不安になります。
そして、なかなか最初の一歩が踏み出せずブレイク期間が長くなってしまい、更に自信を失います。ここでは、「ブレイク期間が長いこと」について、言葉の選び次第で、相手に与える印象を変えるポジティブな言葉を意識します。
(1)ポジティブな言葉への言い換え
- 「何もしていなかった」→「自己を見つめ直す時間に使った」「心身ともにリフレッシュさせた」
- 「何もできなかった」→「〇〇について学びを深めた」「〇〇の課題を克服するために努力した」
- 「ブランク期間」→「自己成長期間」「キャリア再構築の期間」
【NG例】 〇〇が原因で、やむを得ず退職しました。 ブランク期間が長いため、業務についていけるか不安です。
【OK例】 〇〇を機に、自身のキャリアプランを見つめ直す期間を設けました。 ブランク期間中に〇〇のスキルを習得し、業務に活かせるよう準備をしてきました。
ブランク期間を「キャリアプランを見つめ直す」「スキルアップの期間」と捉え、前向きな言葉を使います。この言葉が成長意欲やポジティブな思考を持つ表現に変えてくれます。
(2)未来志向の言葉の活用
過去は変えられないけど未来は変えることができるので、過去の事実を述べるだけではなく。未来への展望を語ることで採用担当者の心に届きます。
【体験談17】前向きな姿勢を示し、企業への貢献意欲を明確に伝えます
- これまでの経験で培った〇〇スキルを土台に、貴社の〇〇分野創造したい
- 柔軟な視点と挑戦心を活かし貴社の〇〇という目標達成に貢献したい
- グローバルな視点と多様性をを活かし、貴社の海外進出や新規事業開拓に貢献したい
- 新しい文化に触れることで得た洞察力を活かし、グローバルな問題解決に挑戦したい
- キャリアブレイク期間中に得た〇〇経験を活かして、今後は〇〇に貢献したい
- 御社で〇〇の業務に携わり、〇〇の成果を上げたい
(3)具体的なエピソードの追加
ポジティブな言葉だけに意識し過ぎると、、採用担当者から「具体的なエピソードを教えてください」と質問される場面がよくあります。実は採用担当者は常に「、、だからどうしたの?」「、、、だから何ができるの?」など聞く姿勢になっています。だから、具体的なエピソードを交えることも意識します。
【体験談18】具体的なエピソードを加える
自己分析結果、コミュニケーション能力と企画立案力が強みだと再認識しました。貴社で、この強みを活かしチームで新サービスを生み出したいです。 |
マーケティングの基礎を学び直し〇〇の資格を取得しました。この知識を活かし貴社の商品PRに貢献したいです。 |
これまでとは異なる分野であるプログラミングを学習し、簡単なWebサイトを制作できるようになりました。貴社で、この経験を活かしデジタル分野に挑戦したいです。 |
1年間のワーキングホリデーで英語力を磨き、多様な価値観に触れ、コミュニケーション能力を高めました。貴社のグローバルな事業展開に貢献したいです。 |
AIやデータ分析に関する書籍を読み、オンラインセミナーにも参加し、最新技術を学び続けました。貴社でこれらの知識を活かし、業務効率化に貢献したいです。 |
「人脈を広げ様々な分野の人と交流を深めた」 異業種交流会に参加し、多様な価値観や働き方について学びました。貴社でこの経験を活かし、円滑なコミュニケーションを図りながら業務を進めたいです。 |
5、 企業への「誠実さ」を伝え「事実を隠さない」ことが基本
キャリアブレイク期間を少しぐらい誤魔化したり、事実を隠したりした方がいいかも、、と考えてしまうことがありますが、しかし、相手はプロの採用担当者ですのですぐに見破られてしまいます。特に、誠実さは、信頼関係を築く上で最も大切なことですので、決して嘘や誤魔化しはせず、正直に丁寧に説明します。
キャリアブレイクの理由や期間について、正直に、具体的に伝えます。例えば、体調不良で休養していた場合は、「体調を整えるために休養していました」と、正直に伝えることで、企業側は応募者の状況を理解しより適切な判断ができます。
そして、企業側が知りたい情報を、先回りして丁寧に伝えることで、誠実な姿勢を示すことができます。嘘や誤魔化しは後々大きなトラブルに発展する可能性があるため絶対にやめましょう。
6、まとめ
履歴書は面接の原稿作りとして、書く際には自己成長と自己PRの機会と捉えます
履歴書の2強とは自己PRと志望動機
キャリアブレイク期間は「自己成長」の物語(ストーリーテリング)として語る
志望動機はキャリアプランを明確に
「キャリア迷子」にならないようにキャイアブレイク期間早々にキャリアの棚卸しをします
誠実さを大切にするため、嘘や誤魔化しはせず、正直に丁寧に説明し、貢献意欲を伝えます