「このままでいいのだろうか……」ふとした瞬間に、そんな言葉が胸の奥から湧き上がってきたことはありませんか?
40代を目前に、キャリアも家庭も、それなりに安定している。ポジションも役職も、世間的には“成功している人”に見えるかもしれない。それでも、朝の満員電車、部下とのやり取り、終わらない会議、そのどこかで、自分だけが少しずつ“何か”を見失っているような気がする。
心の奥で、小さな違和感がくすぶっているのに、それを見て見ぬふりをしていないだろうか。
「この仕事、あと何年続けられるだろう?」
「そもそも、自分はこれがやりたかったのか?」
そんな問いが、胸の中でぐるぐると回っている。
この記事は、そんな“キャリア迷子”に陥りやすい40代の中間管理職の男性をモデルに、「転職すべきか、それとも今の会社に留まるべきか」迷ったときにこそ立ち止まって考えたい“3つの視点”をお届けします。
今すぐ答えを出す必要はありません。けれど、後悔のない選択をするために、まずは少しだけ、自分の気持ちと向き合ってみませんか?
1、なぜ「40代でキャリア迷子」になるのか?
キャリアを重ねてきたはずなのに、なぜ40代で”迷い”が生まれるのでしょうか?表面的には順調に見えるキャリアの裏で、多くの人が感じている“静かな違和感”、その正体に、少しずつ迫ってみましょう。




(1)キャリアの停滞感と“役割の変化”~「前に進んでいる感覚」が失われている~
20代、30代の頃。新しいプロジェクトに抜擢され、タスクを任され、試行錯誤の末に成果を出す。その繰り返しが、やりがいや成長の実感につながっていた、そんな時期が、あなたにもきっとあったはずです。
「もっと上を目指したい」「結果を出せば次のチャンスが来る」そう信じてがむしゃらに働いてきた時間が、自分を大きく育ててくれた。けれど40代に入ると、その“熱”がいつの間にか別のものに変わっていることに気づきます。
①求められるのは“攻め”ではなく“守り”
この年代になると、周囲があなたに期待する役割が大きく変わります。
- 若手社員のメンターとして”育てる側”にまわる
- 上からの指示と現場の声の板挟みに悩む”調整役”になる
- 自ら動くというよりトラブルが起きないように根回しを任される
会社にとって、40代は”組織の安定装置”であることが多いのです。その結果、自分の判断で物事を進める機会が減り、何かを“守る”ことばかりが仕事の中心になっていきます。
かつては”自分で切り拓く”ことにやりがいを感じていたのに、今は“誰かの調整役”になっているだけ。その変化に、心がついていかない。でも、それを声に出すこともできない。
②「まだ成長できる気がするのに、踏み出せない」もどかしさ
また40代は、体力も判断力も十分にある時期。経験が積み上がっている分、部下よりも正確に物事を捉えられるし、「本当は、まだまだやれる」と感じている自分もいるはずです。
けれど、現実はこうです。
- 目の前の仕事は、誰がやっても変わらないような“ルーチン業務”
- プロジェクトの中心には立てないが、責任だけは重くなる
- 会議で発言しても、決定権は別の誰かにある
このギャップが、あなたを“停滞”の中に押し込めていくのです。
③「このままで、本当にいいのか?」
そうして日々が流れていく中で、ふとした瞬間に、こんな問いが胸に浮かびます。
「あと10年、20年、この仕事を続けられるだろうか」
「このままいくと、自分のキャリアはどうなる?」
「“やりたいこと”を考える余裕すらなくなっていないか?」
でも、周囲から見れば“順調”。家族もいて、収入も安定していて、役職もある。だからこそ、「今さら迷っているなんて言えない」というプレッシャーが、自分自身をさらに縛っていく。そして、心のどこかで「でも、本当は……」という感情だけが、消えずに残るのです。
(2)転職経験がないことによる不安~「知らない世界」が不安の正体だった~
40代でキャリアに迷い始めると、多くの人が一度は”転職”という言葉を思い浮かべます。けれど、そこから実際に行動に移せる人は、ごくわずかです。なぜなら、その“次の一歩”を阻む壁が、想像以上に大きいからです。




①「転職経験がない」=他の世界を知らないということ
たとえば、あなたが今の会社に新卒で入り、そのまま15年、20年とキャリアを積んできたとしたら。
今いる職場こそが、自分にとっての“常識”になっているのではないでしょうか?
- 年功序列が当たり前
- 上司に気を遣うのは当然
- 会議は長く、意思決定は遅い
- 給与や評価は一律で見直しも少ない
これが”普通”だと思っていたけれど、外に出ればまったく違うルールがある。その“未知の常識”が、自分にとってどう作用するのか?そこが想像できないのです。そして気づけば、こんな不安が心を占めるようになります。
②「通用しないのでは?」という恐怖
「もし今、別の会社に入ったら……」
「若い社員とうまくやれるだろうか?」
「上司が年下だったら、素直に受け入れられるか?」
「Excelやツールの操作に、自信が持てない」
「そもそも、自分に“選ばれる価値”なんてあるのか?」
このように、スキルや人間関係、文化への適応、さまざまな不安が頭をよぎり、「転職=自分が通用するかどうかを試される場」のように感じてしまうのです。
③情報は溢れているけど、自分ごととしてはピンとこない
今の時代、ネットで検索すれば転職ノウハウも成功談も山ほど出てきます。ですが、それらは”20代の第二新卒向け”だったり、”バリキャリ型の人”の体験談だったり、どこか自分とは違う世界の話に見えてしまうことも。
実際、こんなふうに感じていませんか?
- 「やってみようかな」と思って転職サイトを開いたけれど、求人票が多すぎて逆に混乱
- 自分と同じような“40代・未経験の転職体験談”が見つからない
- 成功例ばかりで、“リアルな苦労話”がなかなか出てこない
結果、行動の手前で立ち止まり、「やっぱりまだいいか」とブラウザを閉じてしまう。その繰り返しで、また数ヶ月が過ぎていく。そんな人も多いのではないでしょうか。
④「迷い」は悪じゃない。“最初の違和感”を大切にすること
ここで、声を大にして伝えたいのは、”迷っている自分”は、けっして後ろ向きな存在ではないということです。
むしろ、、
- 「このままでいいのか?」と立ち止まれる力
- 「自分らしい働き方はなんだろう」と考える視点
- 「現状を見直す勇気」を持っていること
これこそが、キャリアの“第二ステージ”に進むための大切な準備なのです。迷いは、成長の兆しです。そして不安は、これまで真剣に働いてきたからこそ生まれる感情です。だからこそ、焦らなくていい。でも、向き合うべきタイミングが“今”なのかもしれません。
次のセクションでは、そんな迷いの中で「転職か?残留か?」を考えるときの3つの視点をご紹介します。
ここでは、40代という人生の中間地点に立つあなたにこそ必要な、3つの考える視点をご紹介します。
2、現職に残るべきか?転職すべきか?を考える3つの視点
「このままでいいのか?」その問いに対して、今すぐ“正解”を出す必要はありません。けれど、もしあなたの中で迷いが生まれているなら、一度立ち止まって”自分自身に問うべき視点”を持つことが大切です。
または、なんとなくモヤモヤ感がある時の選択肢”キャリアブレイク”の悩みに対して具体的な解決策を40代から50代キャリアブレイク成功!悩みや後悔しない解消法【体験談】で詳しく説明していますのでご覧ください。
(1)今の仕事で“満たされる瞬間”はあるか?
まず、自分が今の仕事においてどんな瞬間に感情が動くかを確認してみましょう。
- 忙しい中でも、「この仕事、やっててよかったな」と感じた瞬間はありますか?
- 部下が成長し、うれしそうに報告してくれた時、胸が熱くなりませんでしたか?
- 長年のお客様から「あなたが担当でよかった」と言われた時、心が動きませんでしたか?
もし、こういった“満たされる瞬間”が定期的に訪れているなら、今の職場にはまだ働く意味が残っている可能性があります。それが週に一度でも、月に一度でも、心が報われる感覚があるなら、今の場所に踏みとどまる価値があるかもしれません。
反対に、「最近はそういう気持ちをまったく感じない」「感謝されても響かない」という場合は、内面の“職業的空白”が深まっているサインです。
(2)「5年後の理想の働き方」との距離
次に考えるべきは、未来との距離感です。あなたが理想とする5年後の働き方は、どんな姿でしょうか?
- もっと裁量があり、自分で意思決定できる仕事をしている?
- 今よりも自由な働き方で、家庭や趣味の時間も確保できている?
- 人間関係のストレスが少なく、のびのび働いている?
この“理想の働き方”を今の延長線上に描けるかどうかが、残るべきかの重要な判断材料になります。もし現職にとどまったとしても、
- 職種や部署の異動でそれに近づける可能性はあるのか?
- 上司との関係性や評価制度は、その理想に合っているか?
そう問いかけてみてください。「今のままでは絶対に届かない」そう思うなら、方向転換、つまり、転職という選択肢も現実的に検討する時期に来ているのかもしれません。
(3)もし転職するなら「何を軸に」選ぶ?
最後に、自分が転職する際に何を最も重視するのかを明確にしておくことが大切です。年収、福利厚生、勤務地、業種、企業規模、働き方、裁量の大きさ、人間関係、社風…選ぶ軸は人によって違います。
でも、40代の転職で見落としがちなのは、「何から逃げたいか」ではなく、「何を手に入れたいか」で考えること。
転職=現実逃避ではなく、「今の自分が大切にしたい価値観にフィットする場所を探すこと」その視点が、後悔のない選択に繋がります。
たとえば、、
- 年収が上がっても、業務が深夜まで続くなら意味がある?
- リモートワークができても、誰とも会話しない働き方に満足できる?
- 裁量が増えるぶん、責任やプレッシャーにも耐えられる?
こうした問いを自分に投げかけながら、「今後の人生をどう生きたいか」という軸で、仕事を選び直すことが重要です。
3、迷っている自分にどう向き合うか?
キャリアに迷ったとき、多くの人が結論を出さなければと焦ってしまいます。でも実は、“決断”より先にやるべきことがあります。それは、迷っている自分の状態を受け止め、小さな行動で状況を見える化すること。
このパートでは、そんな”迷いとの上手な付き合い方”を2つの観点からご紹介します。
(1)小さなアクションが迷いを減らす
迷いの正体は、”見えないことへの不安”です。未来がどうなるか分からない。今の選択が正解かどうか確信が持てない。そんな不透明さが、不安を膨らませていくのです。
だからこそ、小さな“行動”が有効です。行動することで、自分の気持ちや状況が整理されていきます。
①自己分析をしてみる
いきなり転職を考える前に、まずはノートとペンを使って自分のことを”棚卸し”してみましょう。
- 今の仕事で得たスキルや経験
- 自分が得意だと思うこと、苦手だと感じること
- 仕事でやっていて楽しいと感じる瞬間
- 逆にストレスや違和感を覚える状況
たった10分でも構いません。書き出して“可視化”することで、自分の状態が客観的に見えてきます。
「思ったより経験が多いな」
「この仕事、本当は好きだったんだな」
そんな発見が、不安を少し軽くしてくれるかもしれません。
②転職サイトに登録してみるだけでもOK
本格的に転職するつもりがなくても、転職サイトに登録して求人を見てみるのはおすすめです。
- 今、自分の年齢・スキル・職種で、どんな求人があるのか?
- 同じ業界でも、働き方や待遇はどう違うのか?
- 自分の“市場価値”はどのくらいあるのか?
これらを知るだけで、情報がないことによる不安は少しずつ薄れていきます。登録してスカウトが来るだけでも、「あ、自分にも需要があるんだ」と自信につながることも。
③信頼できる人に相談してみる
「こんなことで悩んでるなんて、恥ずかしい」そんな思いがブレーキになることもありますが、あえて打ち明けてみると、意外な発見があります。
- 同年代で転職した人のリアルな体験談
- 上司の意外な本音
- 家族がどう考えているか
“誰かに話す”ことで、自分の考えが言語化され、整理されます。さらに、「悩んでいるのは自分だけじゃない」と感じることで、孤独感も和らぎます。
(2)情報を集めすぎない
迷っているとき、人は不安を解消しようと、つい情報を集めすぎてしまいます。転職サイト、YouTube、X(旧Twitter)、口コミサイト、自己啓発本……。
でも、情報の海に飛び込んで比較ばかりしていると、かえってこうなります。
- 「あっちは待遇がいいけど、忙しそう」
- 「こっちは自由だけど、年収が下がる」
- 「この人は転職して成功してるけど、自分には無理かも」
次第に、“情報疲れ”を起こしてしまい、ますます動けなくなる悪循環に。
①今の自分に必要な判断軸を決める
情報を取捨選択するためには、“自分の判断軸”を先に決めることが必要です。
たとえば、、
- 「収入よりも、家族との時間を優先したい」
- 「多少忙しくても、自己裁量がある仕事がいい」
- 「フルリモートで働ける環境がほしい」
このように、“何を大事にしたいか”を明確にすることで、情報の中から必要なものだけを拾えるようになります。迷っているときに必要なのは、情報の量ではなく、「どんな情報を選ぶか」の視点です。
②行動した人から、不安は小さくなる
キャリアに迷いを感じることは、弱さではありません。むしろ、自分の人生に本気で向き合っている証です。だからこそ、今の不安やモヤモヤを責めるのではなく、“見て見ぬふりせず、少しずつ向き合っていくこと”が大切なのです。
一気に答えを出す必要はありません。小さな一歩、小さな選択、それらの積み重ねが、迷いを「納得」に変えていきます。
4、体験談:私が40代でキャリアを見直したとき
「こんなに経験を積んできたのに、なぜこんなにも不安になるのだろう」これは、私自身が40代半ばで感じていたことです。社会人として20年以上、営業からスタートし、法人向け提案営業、個人向けコンサルティング、人事・採用、マーケティング部門での新規事業立ち上げ、中国駐在も経験し、それなりに“キャリアは順調”と周囲からは見られていたと思います。
でも、ある日ふと、頭をよぎったのです。
- 「この先、自分の働き方はどうなっていくんだろう?」
- 「今のポジションを失ったとき、果たして自分は“何者”として生きていけるんだろう?」
(1)「経験がある」からこそ、逆に不安になることもある
不思議なことに、経験や実績が増えるほど、選択肢が広がるどころか、逆に“縛られている”感覚がありました。
- 営業職としての成功体験が、「他では通用しないかも」という不安に変わっていく
- マネージャー職としての立場が、「管理だけの人間にはなりたくない」というジレンマを生む
- 海外経験があるのに、「だから何?」と自問してしまう日もある
人事として若手のキャリア相談に乗っていたときは、「自分に自信を持て」と言っていた自分が、いざ自分の将来を考えたとき、何ひとつ確信が持てなかったのです。
(2)最初の一歩は、「書き出すこと」だった
頭の中で考えているだけでは、いつまでも堂々巡りでした。そんな自分を変えるきっかけになったのが、「自分の価値観を書き出してみること」でした。
白紙のノートを開いて、こう問いかけてみました。
- 自分は何をしているときに心が動くのか?
- 理想の働き方とは?(時間、環境、人間関係、収入)
- どんな瞬間に「もう二度とやりたくない」と感じたか?
最初は言葉が出てこなかったけれど、少しずつ自分の“感情のトリガー”が見えてきたんです。
- ありがとうと言われたとき、心が満たされる
- 結果ではなく“プロセス”を大切にする働き方が好き
- 評価基準が曖昧な職場はストレスになる
- 自分のペースで考え、工夫できる時間が欲しい
こうして、自分の中に「働き方の軸」が少しずつ浮かび上がってきました。
(3)書くことで「感情」から「判断」へと変わっていく
キャリアに迷っていた当時、私の頭の中には常に”モヤモヤ”がありました。でも、それが何の不安なのか、なぜそんな気持ちになるのか、自分でもよく分からなかったのです。
「このままでいいのか」という不安と、「でも、今さら動いて何になる?」という諦めの間で、気持ちは行ったり来たりしていました。
そんなとき、ある先輩に言われた「頭の中で考えると、感情に流されるよ。一度書き出してみな」でした。
半信半疑でノートを開き、思いつくままに今の気持ちを書いてみたんです。
- 今の仕事で嬉しかったこと、腹が立ったこと
- どんなときに「自分はまだ成長できる」と思ったか
- 逆に、どういうときに「もう限界かもしれない」と感じたか
- 理想の働き方って、どういう形だったのか
- 自分が嫌いな働き方・価値観とは?
最初はまとまらない言葉ばかり。でも、10分、20分と書き続けるうちに、「自分が何に反応して、何を求めているのか」が、だんだんと見えてきたのです。
①気づいたのは「辞めたい」ではなく「埋もれたくない」だった
書き出してみて初めて、自分の中にあった感情の正体がわかりました。それは「辞めたい」でも「転職したい」でもなく、
“このままでは、自分の価値が埋もれてしまうのではないか”という焦りでした。
- これまで築いてきた経験やスキル、人との関係性。
- それらを、誰にも見つけてもらえず、社内の“都合のいい人材”として消耗されていく。
- そんな未来が、うっすらと見えてしまったからこそ、不安になっていたのです。
②求めていたのは、評価でも出世でもなかった
さらに書いていて気づいたのは、私は決して「もっと評価されたい」とか「もっと出世したい」と思っていたわけではなかったということ。本当に求めていたのは、
“自分の仕事が、自分の価値観にフィットしている”という納得感でした。
- 誰かの役に立っていると実感できるか
- 自分の考えや意見を活かせる余地があるか
- その働き方が、今の自分の人生と調和しているか
それがないから、不安だった。それに気づいた瞬間、「じゃあ、自分は何を変えるべきか?」という思考に自然と切り替わっていったのです。
③書くことで「感情の渦」から抜け出せた
頭の中に溜まっていた不安や焦りは、言葉にして初めて整理されていきます。それはまるで、ぐちゃぐちゃに絡まった糸が、少しずつほぐれていくような感覚でした。
そして、感情に振り回されていた自分が、”判断できる自分”へと静かに変わっていくのを実感できたのです。ノートに綴った価値観は、その後の行動の「軸」になりました。社内で異動希望を出し、得意な企画業務に関われるようになったこと。その経験が、今のブログ運営や執筆活動にも繋がっています。
40代は、決して遅すぎる時期ではありません。むしろ、“軸を持って選び直す”ことができる、最適なタイミングです。そしてその第一歩は、”自分の思いを書き出すこと”。紙の上なら、どんな迷いも誰にも否定されることはありません。
5、迷いの先にある「納得」と「小さな一歩」
キャリアに迷ったとき、多くの人は「早く結論を出さなきゃ」と思いがちです。けれど、本当に大切なのは“すぐに決断すること”ではなく、納得できる選択をすることではないでしょうか。
焦らず、一歩ずつ、今回は、そんなあなたに届けたい、キャリア迷子を抜け出すための“心の整え方”をご紹介します。
(1)答えが見えないからこそ、“行動”が心を整える
キャリアの迷いは、頭の中だけでぐるぐる考えていても、なかなか晴れません。それは、情報や理屈の問題ではなく、”感情”がモヤをかけているからです。このとき大切なのが、行動を通じて“感情”を動かすこと。
たとえば、、
- 転職サイトに登録してみる
- 信頼できる人に相談してみる
- 自分の価値観をノートに書き出してみる
- 社外の勉強会やセミナーに参加してみる
どれも大きな変化ではありませんが、“一歩踏み出した”という実感が、心のモヤモヤを和らげてくれます。「何も変わらない」ことに不安を感じるのは、行動していないから。小さな行動こそが、自分を納得に導くスタートラインになるのです。
(2)納得のいく選択は、後悔しにくい
キャリアの選択には、正解も不正解もありません。大切なのは、自分で選んだと納得できること。
- 誰かに言われたからではなく
- 世間体に流されたからでもなく
- “自分の価値観”に沿って選んだ道なら
たとえその先に困難があっても、人は不思議と折れずに進めるものです。なぜなら、そこには「自分の人生を自分で引き受けている」という感覚があるから。
後悔しない選択とは、うまくいく選択ではなく、納得のいく選択です。そしてその納得は、時間をかけて育てていくもの。だからこそ、焦る必要はありません。
(3)「決断」ではなく、「検討の旅」をはじめよう
キャリアの迷いに答えが出ないとき、「決めなければ」というプレッシャーに追い込まれがちです。でも本当は、“決断”ではなく、「検討の旅」をはじめればいいのです。旅には地図が必要です。それがあなた自身の価値観であり、理想の働き方であり、譲れない想い。
旅には寄り道もあるでしょう。でも、その寄り道で出会う経験こそが、あなたを深めてくれる。そしていつか、自然と「この道でよかった」と思える日が来る。その日を信じて、一歩ずつ、進んでみませんか?
6、まとめ|キャリア迷子に悩むあなたへ、5つの整理ポイント
1、現状に「違和感」があるなら、それは見直しのサイン
ふと「このままでいいのか?」と感じたら、それはあなたの内側からのメッセージです。違和感を無視せずに向き合うことで、次の選択のヒントが見えてきます。
2、迷っていい。でも“立ち止まったまま”にならない
不安になるのは真剣に働いてきた証。ただ、悩み続けて何もしないと、時間だけが過ぎてしまいます。まずは一歩、書く・話す・調べるなど、小さなアクションから始めてみましょう。
3、情報よりも「自分の軸」が大切
転職情報や成功体験はあふれていますが、大切なのは「自分が何を大事にしたいか」。理想の働き方や、譲れない価値観を明確にすると、迷いが整理されます。
4、誰かの体験からヒントをもらう
同じようにキャリアで悩んだ人の話を聞くと、「自分だけじゃない」と安心できます。信頼できる先輩や、同世代の仲間の言葉が、新しい視点をくれることも。
5、小さな行動が、不安を整理してくれる
転職する・しないを決める前に、できることはたくさんあります。自己分析や情報収集、転職サイトへの登録など、一つひとつの行動が、気持ちを軽くしてくれます。
【引用元】
令和6年上半期雇用動向調査結果の概況 <厚生労働省>
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