新規開拓営業は、多くの営業マンにとって大きな壁です。「どうアプローチすればいいのか?」「成果が出るまでの道のりが長すぎる」と悩む方も多いでしょう。私も最初は新規開拓が苦手で、受注まで1年以上かかる精密機械設備の営業に苦戦していました。しかし、顧客をランク分けして管理しクロージングのタイミングを意識することで成果が上がるようになりました。新規開拓営業は単なるセールストークではなく、戦略的なアプローチが鍵となります。ゲーム感覚で挑戦したり、顧客との対話を「情報収集の冒険」と捉えることで、営業はワクワクするものに変わります。また、新規開拓は誰でもできるわけではないからこそ、達成感や付加価値は計り知れません。そして、このスキルは業界・業種を問わず応用できるポータブルスキルであり、習得すればどの分野でも強みになります。本記事では、新規開拓営業に向いている人・向かない人の特徴、成果を出すための戦略、私自身の経験をもとに成功のポイントをお伝えします。
1、新規開拓営業とは?基本概念を理解しよう
マーケテイング手法については、初心者でも悩まないマーケティングとして、新規開拓営業の方法|初心者でも成果を出せる戦略はマーケティング手法で詳しく説明していますのでご参照ください。ここでは省略させて頂きます。
2、新規開拓営業に向いている人の4つの特徴とは?
(1) コミュニケーション能力が高い
【事例】 友人と初めて行くカフェで店員におすすめメニューを尋ねる場面を想像してください。質問をしながら店員の説明を聞き、「なるほど、それなら試してみたい!」と前向きに反応することができれば、それは営業にも活かせます。お客様の話をしっかり聞き、興味を持って適切な返答をすることが信頼関係の構築につながります。
(2)ポジティブ思考
新規開拓営業は断られることが前提です。しかし、失敗を学びとして捉え前向きに改善できる人は成功しやすいです。
【事例】好きな飲食店で「本日のおすすめメニュー」が売り切れていたとします。しかし、「じゃあ別のおすすめを試してみよう!」と前向きに切り替えられる人は、営業でも成果を出しやすいです。営業でも断られた際に「どうすれば次回は興味を持ってもらえるか?」と考えられる人は成長が早いです。
(3)戦略的思考ができる
マーケティング戦略を理解しターゲットを絞ったアプローチを考えられる人は効率的に成果を上げることができます。
【事例】友人の誕生日プレゼントを選ぶとき、相手の好みや過去の会話を思い出して最適なものを選びますよね。これと同じように、営業でもターゲットのニーズを理解し、最適な提案を行うことが成功につながります。
(4)コツコツと努力できる
営業活動はすぐに結果が出るものではありません。継続的な努力を惜しまない人は、新規開拓営業に向いています。
【事例】ジムに通い始めたばかりの人が、初日から理想の体型になれることはありません。同じように、新規開拓営業でも一度で契約を取ることは難しいですが、日々の積み重ねが成果に結びつきます。毎日少しずつ改善しながら努力することが重要です。
3、新規開拓営業に向かない人の4つの特徴と克服法
(1)断られるのが怖い
【克服方法】 「断られるのは成長のチャンス!」と考えてみましょう。1回の失敗を成功へのヒントと捉え、次回のアプローチを改善することが大切です。例えば、断られた理由をメモして、次回は異なる角度から提案してみるとよいでしょう。
【事例】飲食店で新しいメニューをおすすめされても、興味がなくて断ることがありますよね。でも店員さんが「別のメニューはどうですか?」と提案してくれると、新しい発見があるかもしれません。営業でも「断られたら別の角度で提案する」という姿勢が重要です。
(2)話すのが苦手
【克服方法】 「話すのが苦手だからこそ、練習する価値がある!」まずは身近な人と会話の練習をしてみましょう。家族や友人に営業トークを聞いてもらいフィードバックをもらうのも有効です。
【事例】初めて会う人と話すのが苦手でも、コンビニやカフェの店員に「ありがとう」と声をかけることから始めると、自然と会話に慣れてきます。営業でも、小さな会話を積み重ねることで徐々にスムーズに話せるようになります。
(3)計画性がない
【克服方法】 「計画を立てると効率が上がる!」営業活動をゲーム感覚で捉え、訪問リストやスケジュールを作成して達成感を味わいましょう。チェックリストを作ると楽しく進められます。
【事例】旅行に行く時、計画を立てずに出発するとどこで何をするか迷ってしまい、時間を無駄にすることがあります。一方で、事前にルートや目的地を決めておけば、スムーズに行動できます。営業も同じで、計画的に行動することで無駄を減らせます。
(4)継続が苦手
【克服方法】 「小さな成功を積み重ねる!」毎日1件だけでも訪問するなど、ハードルを低く設定することで継続しやすくなります。習慣化することで自然と営業スキルが向上します。
【事例】ダイエットや筋トレも、いきなりハードなメニューをこなすのは難しいですが、まずは毎日10分のウォーキングから始めると続けやすいですよね。営業でも、毎日1件の訪問から始めることで、継続する力を身につけることができます。
4、新規開拓営業で成果を上げるための実践テクニック
(1)顧客のペルソナ=戦略的思考を設定する
【事例】旅行先を決める際、行きたい場所だけでなく、天候や予算、同行者の希望などを考慮するのと同じように、営業でも顧客の環境やニーズを理解し、それに合ったアプローチを取ることが重要です。
(2)ヒアリング力を磨く
相手の課題を的確に把握し、解決策を提示できるようにする。
【事例】初めて訪れるカフェで、「どんなドリンクがオススメですか?」と店員に質問するのと似ています。顧客に「何を求めているのか?」「どんな課題があるのか?」を積極的に聞き最適な解決策を考えましょう。
(3)PDCAサイクルを回す
Plan(計画):営業戦略を立てる。 Do(実行):計画に基づいて行動する。 Check(評価):結果を分析する。 Act(改善):次の営業活動に反映します。
【事例】スポーツの練習と同じように、営業活動も振り返りと改善が必要です。たとえば、バスケットボールの試合後に「どこがうまくいったか、どこが改善できるか」を話し合うのと同じように、営業活動でも定期的に結果を振り返り、次のアクションにつなげることが大切です。
(4)信頼関係を築く
短期間で成果を出そうとせず、顧客と長期的な関係を構築することを意識します。
【事例】新しく引っ越したばかりの近所の人と、少しずつ挨拶を交わしながら親しくなっていくのと同じです。営業も一度の訪問で成果を出そうとせず、何度も接触しながら信頼を積み重ねることが大切です。
5、新規開拓をストレスなく楽しく対応する発想と実践方法
(1)ゲーム感覚で挑戦する
失敗を怖がるのではなく、「成功率を上げるためのゲーム」と考えてみましょう。
1日の訪問やアプローチ数を決めて、達成するたびに自分にご褒美を与える。成約につながったケースを「攻略法」として分析し次の営業に活かします。
【事例】 RPGゲームでボスに何度も挑戦しながら攻略法を見つけるのと同じ。営業も繰り返し挑戦してコツをつかむことで成果が上がります。
(2)「相手を知ること」を楽しむ
顧客との会話を「情報収集の冒険」と捉えます。。「この人は何が好きなんだろう?」という探究心を持って話を聞き、仕事だけでなく趣味や最近のニュースなど共通点を見つけます。
【事例】友達と新しいレストランに行くとき、メニューの好みを聞いて注文するのと同じ。相手のことを知ることでより適切な提案ができる。
(3)「断られるのは当たり前」と考える
断られるのは「自分の提案と相手のニーズが合わなかっただけ」と割り切り、「1回の断り=改善のチャンス」と考え別の提案方法を試します。断られる回数を数えて「この回数を超えたら成約が来る!」とポジティブに捉えます。
【事例】好きな飲食店で「本日のおすすめ」を店員に聞いて、好みに合わなければ別のメニューを頼むのと同じで営業でも別の角度から提案すればOK。
(4)成功事例を「ストック」する
過去にうまくいったパターンを蓄積し、「成功の公式」を作り、成功した営業トークやアプローチ方法をノートに書き留めることで、同じ業界や職種の顧客に対して効果的だったアプローチを応用します。
【事例】料理のレシピを覚えておくと似た食材で応用できるのと同じで、営業でも成功パターンを持っておけば次回のアプローチがスムーズになります。
(5)楽しみながら関係を築く
「売ること」ではなく「人とつながること」を楽しみます。顧客との会話を「お互いを知る機会」と考え、初回訪問で無理に売ろうとせず、相手が求めていることを引き出します。
【事例】初対面の人と仲良くなるとき、いきなり深い話をせずに、共通の話題を見つけるのと同じで、営業でも信頼関係を築くことで結果的に契約につながります。
以上のような内容は、プライベートでは自然とできていることばかりです。『仕事だから』『新規開拓だから』と気負いをしなければ、新規開拓営業をストレスなく楽しみながら進めることができます。営業は「仕事」ではなく「人とつながる機会」と考えることで、自然と結果もついてくるでしょう。
6、私の新規開拓営業の体験談
(1)新規開拓が苦手だった私のスタート
(2)顧客をA〜Eランクに分類し進捗管理
営業の効率を上げるため、顧客を以下のように分類し管理しました。この分類を活用することで、訪問計画が立てやすくなり、顧客の状況に合わせた提案が可能になりました。
商談ランク | 商談状況 |
---|---|
確 | 仮契約を済ませ正式な契約前 |
Aランク | 受注まで半年以内で自社が優位 |
Bランク | 受注まで半年以内で競合多数 |
Cランク | 受注まで半年〜1年、購入意欲ありだが需要未確認 |
Dランク | 受注まで1年以上必要 |
Eランク | 自社製品を使用する可能性があるが、詳細不明 |
(3)クロージングは2〜5回目の面談時を目標に
どのランクの顧客でも、初回訪問でクロージングを狙うのではなく、2〜5回目の訪問で成約できるように意識しました。つまりランクが上ほど訪問間隔は密になり、ランクが下ほど密にはなりませんが他の顧客への訪問時についで訪問をします。高額な精密機械設備は信頼関係が重要であり、1回目の訪問では情報収集と関係構築に重点を置きました。
(4)成果を出すために意識したこと
商談ランク | 商談状況 |
---|---|
確 | 契約までの詰めを行います。 |
Aランク | 詳細提案、見積書、契約書などからクロージング |
Bランク | 競合と差別化ポイントを整理し優劣を明確にします |
Cランク | 導入シミュレーション、見積書から需要明確化 |
Dランク | 長期的な関係構築、導入時期情報を定期的に収集 |
Eランク | 顧客情報を理解し、自社強みを知ってもらいます。 |
(5)新規開拓が楽しくなった2つの瞬間
ランキングは主観的に作ったもので、訪問毎に修正はつきものですが、ある顧客がDランクから始まりC→B→Aとランクアップし契約した時は、『やらなければならないことを、その時期にできていれば受注できる!』と大きな自信になりました。
2年近くCランクだった顧客が、突然発注を決めてくれたことがありました。『タイムングいいねぇ、、この内容で見積書と同時に最短でいつ納品できるか?ネゴなしで一発回答をください!』と言われた時でした。新規開拓営業の醍醐味を感じました。
このように、顧客を分類し適切なアプローチを行うことで、新規開拓営業も戦略的に進められるようになりました。最初は苦手意識があった私でも、計画的に取り組むことで成果を出せるようになりました。ぜひ実践してみてください。
7、新規開拓営業のまとめ
向いている人の特徴
- コミュニケーション能力が高く、聞き上手。
- 断られてもポジティブに捉え、改善できる。
- 戦略的に考え、ターゲットを明確にできる。
- 継続的な努力ができ、粘り強い。
向かない人の克服法
- 断られるのが怖い→失敗を成長のチャンスと考え、改善策を練る。
- 話すのが苦手→家族や友人との練習で少しずつ慣れる。
- 計画性がない→訪問リストやスケジュールを作成し、管理する。
- 継続が苦手→小さな成功体験を積み重ね、習慣化する。
ストレスなく楽しむ方法
- ゲーム感覚で挑戦し、小さな成功を重ねる。
- 顧客との会話を「情報収集」として楽しむ。
- 断られるのを当たり前と捉え、別の提案を試す。
- 成功事例を蓄積し、営業のコツを掴む。
- 売ることではなく、信頼関係を築くことを意識する。
引用元:本記事は以下3つのサイト情報を参考にしました
○営業に向いてない人の16の特徴|不向きな人におすすめの道も解説<PORTキャリア>
○営業職に向いている人と向いていない人の違いって?特徴を紹介<医療転職.com>
○新規営業とルート営業の違いとは?向いてる人の特徴やきついと言われる理由を解説