【中国未経験者】日本語教師の就労ビザから中国入国後にすること

この記事でわかること

ビザは誰でも聞いたことのある言葉ですが、実際の手続きでは不明なことが多いのもビザですね。この記事では、ビザ申請に必要な書類を理解するために以下内容を説明します。

◯日本で事前準備が必要な書類

◯既に中国に在住している人はどのように準備すればいいか

◯日本側で準備することと中国側(大学)が準備すること

◯中国に入国後に迅速にしなければいけないこと

私は2000年頃から長らく中国に在住し、いろんな種類のビザを取得してきました。2013年から自身でも日本語教育事業を展開しながら大学で現役日本語教師をしています。

一般企業で仕事をするのも大学で教師になるのも、ビザ申請方法は同じです。企業では総務部などのサポートが受けられますが大学側は日本のことは日本でしっかりと進めてもらわないと困りますので、中国で日本語教師をするにはビザについての知識は広く持っていないと大学側とスムーズに進めません。

進め方は誰でもできる簡単なことですので、必要なのは理解し迅速に一歩一歩進めることです。是非ご参考にしてください。

目次

1、日本で事前準備する書類

日中間でいろいろな手続きを長期間に渡って行いますので事前に必要な書類を準備しておいきましょう。中には申請から受領まで1〜2ヶ月かかる書類もありますので注意しましょう。

(1)大学卒業者(学士:卒業証書):必須

中国人が大学教師をする場合は大学院卒業が必要です。最近の改訂で外国語学院の教師は大学卒業者でも可能になりましたが、実際には採用されることは難しく大学院卒業者が優先されています。そのような背景から外国人教師は大学卒業(学士)が必要です。民間の日本語学校では待遇面で差はありますが学士は必須ではありません。

(2)無犯罪証明書:必須

日本にお住まいの方

現在のお住まい都道府県の警察本部へ行き”無犯罪証明書”発行の申請をします。”無犯罪証明書”は名称のように、犯罪経歴のないことを証明する書類です。

入手から取得までの方法

◯都道府県の警察本部で申請します↓↓↓

◯都道府県の警察本部での調査結果が外務省へ送付されます↓↓↓

◯外務省で承認された後、外務省から申請者へ”無犯罪証明書”が送付されます↓↓↓

◯在日本中国大使館に持参し”認証”を取得します↓↓↓

◯無犯罪証明書の完成です(約3週間〜1ヶ月間)

警察本部へ行く時は特に予約は不要ですが事前に”無犯罪証明書の申請に行きたい”と連絡し、持参する必要書類の有無を確認することをおすすめします。

在日本中国大使館

外務省から届いた”無犯罪証明書”のままでは中国では無効です。在日本中国大使館が”認証”という作業(無犯罪証明に認証印が押印されます)をすることで有効になります

取り扱い注意

”無犯罪証明書”は封筒に入っていますので絶対に開けないでください。そのまま在日本中国大使館へ持参し”認証”をしてもらいます。”認証”前に封筒を開けてしまうと無効になり、やり直しになります。

中国にお住まいの方

所轄の日本領事館が業務を代行してくれますが、日本側で代理人が必要です。この代理人とは外務省から届く”無犯罪証明書”を在日本中国大使館へ持参し”認証”をもらってくれる方です。日本領事館へ申請書と委任状(日本側の代理人)を提出します。日本の代理人の必要情報は氏名、住所、連絡先携帯電話番号です。

入手から取得までの方法

◯日本領事館に行きます(パスポートを持参してください)↓↓↓

◯領事館で”無犯罪証明書”申請代行を依頼します(申請書と委任状に必要事項を書き提出します)↓↓↓

◯領事館→外務省→本籍地或いは居住地の警察本部で”無犯罪証明書”を作成↓↓↓

◯外務省↓↓↓

◯代理人宛送付されます↓↓↓

◯代理人は在日本中国大使館へ持参し”認証”↓↓↓

◯中国へ発送してもらいます(約1ヶ月〜2ヶ月間)。

取り扱い注意

日本の代理人には事前に了解を得た上で、”無犯罪証明”は開封しない状態で在日本中国大使館へ持参し”認証”をしてもらいます。”認証”前に封筒を開けてしまうと無効になり、やり直しになります。ことを事前に説明してください。

(3)健康診断書:必須

日本或いは中国の指定病院で健康診断を受ける必要があります。中国国内では400-500人民元(約8000円)です。健康診断内容は、通常の健康診断と同じで”採血・検尿・レントゲン検査・身体測定”程度でどこでも受けられる内容で健康診断書を入手します。

2、日中間での手続きについて説明します

(1)日本人教師が日本で行う手続き

外国人就業許可証書

中国の受け入れ大学から”査証発行許可通知書”および”外国人就業許可証書”を入手します。

就労ビザ(Zビザ)の申請

直接或いは旅行代理店を通じて最寄りの在日本中国大使館で就労ビザ(Zビザ)を申請します。提出書類は指定の査証申請書、査証発行許可通知書および外国人就業許可証書原本とコピー、パスポート、写真(3×4cm)などです。申請から発給まで4-5日程度必要で場合によっては面接を受ける必要があります。この段階で発給される就労ビザ(就労査証)は一時入国用のビザであり、中国入国から30日間で失効するため、入国後に速やかに”外国人就業証”と”外国人居留証明書”を取得する必要があります。

日本でビザ申請時における健康診断書の提出は原則不要となりますが、中国現地での”外国人就業証”、”外国人居留許可証”申請時には健康診断書が必要ですので日中友好医院或いは国公立病院など指定病院で健康診断書を入手します。

(2)大学側が中国で行う手続き:外国人就業許可書

面接などで内定が出ると大学側は以下の手続きを始めますので、手続きに必要な書類を詳しく聞き速やかに準備しましょう。外国人就業許可書申請手続きは受領まで約5~15日かかります。

関連記事:大学で日本語講師になるまでの進め方

◯外国人の雇用就職申込書
◯赴任予定者の履歴証明
◯企業/大学と赴任予定者との雇用意向書/労働契約書
◯外国人を雇用する理由書、本人の資格証明書
◯その他法律や法規で規定する書類(受け入れ企業の営業許可証、批准証書、定款など)申請地域により健康診断書
◯就業予定の外国人が該当する業務に従事する資格証明(大学卒業書など)

(3)日本人教師が中国入国後にすること

最近は認証ゲートで入出国できるようになり、とても便利ですが、日本出国時や中国に入国時は必ずスタンプを押してもらうことを忘れないようにしましょう。

外国人就業証の申請

中国入国後15日以内に、許可証に基づき中国受け入れ大学と労働契約を正式に締結し、管轄地の人力資源・社会保障行政部門に「外国人就業証」の発給を申請します。申請書類は外国人就業許可書、パスポート、健康診断書、労働契約書の写し、外国人就業登記表、写真などで、申請から発給までは15日程度です。

外国人居留証明書の申請

外国人就業証を受領後、入国後30日以内に受け入れ大学所在地の県以上の地方人民政府公安機関出入境管理機構へ”外国人居留証明書”を申請します。居留証発行まで15営業日程度かかります。

提出書類

◯パスポート
◯健康診断書
◯外国人就業証
◯写真
◯中国の大学の営業許可証
◯外国人居留申請書など

4、中国向けのビザの種類

ビザの種類にはC、D、F、G、J、L、M、Q、R、S、X、Zの12種類がありますが、中国で日本人教師を目指す方に関係するビザはL(観光ビザ)とF(訪問、視察ビザ)、Z(就労ビザ/就業ビザ)です。ここではこの2つのビザに分けて詳しく説明します。

(1)L(観光ビザ)、F(訪問、視察ビザ)

15日以内の滞在まではビザを取得する必要なく、中国に入国することが出来ます。その滞在期間を越えて滞在する場合にこのビザの取得が必要です。

L(観光ビザ)は観光目的でシングル(1回だけ)の入出国で期間は30日以内です

大学訪問や生活環境体験で、15日以上の予定になりそうな時はL(観光ビザ)を取得します。

大学訪問し面接や労働契約書の締結をする際、複数校への訪問や地域が異なる場所を移動する場合など15日以内で大丈夫か?或いは30日以内か?の旅程表を作りましょう。ビザ免除期間について入国日(1日)と出国日(1日)はほぼ活動できないため実質2日間を引いた日程(13日)になりますので意外と短期間です。中国未経験者にとって、移動や食事など不慣れなことも多く、ロスタイムもありますので、多少費用はかかりますが、L(観光ビザ)を取得することをおおすめします。

F(訪問、視察ビザ)訪問先からの招聘状が必要で30日間と90日間、シングル(1回だけ)或いはマルチ(複数)

訪問先からの”招聘状”が必要なので、業務提携した企業間での訪問や視察などの時にはF(訪問、視察ビザ)を取得します。

(2)就労ビザ(Zビザ):中国国内で就労する(仕事する)ビザ

大学の採用が決定された後に正式に着任する際に取得して中国に入国しましょう。この段階で発給される就労ビザ(Zビザ)は一時入国用のビザであり、中国入国から30日間で失効するため、入国後に速やかに外国人就業証と外国人居留証明書を取得する必要があり大学側に確認しサポートを受け早めに更新しましょう。

5、就労ビザ(Zビザ)なしで仕事することは違法

日本で観光ビザで入国した外国人が仕事していたので摘発されて捕まり強制送還されたNewsがあるように中国でも同じです。更に今後入国ができなくなったりビザ取得が難しくなったりしますので、きちんとZ(就労ビザ)を取得し仕事をしましょう。

6、まとめ

中国側大学から入手した外国人就業許可証書とパスポートで就労ビザ(Zビザ)を取得します。

外国人就業許可証書を取得するためにいろいろな資料を送付しなければいけません。

事前準備資料で一番時間が必要(3週間〜1ヶ月間)な無犯罪証明書を早めに取得します。

中国入国時の就労ビザ(Zビザ)期間は30日なので、入国時速やかに更新手続きをします。

中国入国時取得が必要:外国人就業許可証書(15日以内)、外国人居留証明書(30日以内)

中国の許可書類はどれも名称が似ていますので、取得漏れのないように注意ましょう。

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