【実践!日本語授業には中国語は不要】日常生活のために効果的な中国語学習方法

この記事でわかること

日本語授業の時には中国が必要?と思われている方も多いでしょう。大学では日本語は不要ですが日常生活では必要です。

私は中国で長らく生活してきて、2013年から自身でも日本語教育事業を展開し、現在も大学で現役日本語教師をしている経験から中国で生活する上での中国語の必要性について説明します。

◯大学での勤務中に中国語が不要な5つの理由

◯日常生活で必要な中国語の有効的な学習方法

誰でも、いつでも中国語が必要ということではありませんので、楽しい生活を送るために中国語をどのように学習するのが効果的かについて説明します。これから中国で日本語教師を目指す方は必見です。

目次

1、大学での勤務中に中国語が不要な5つ理由

(1)中国人教師や日本語科学生

授業は学期毎の時間割や教室を大学側が決めるので、その時間割に沿って授業を進めます。大学内には中国人教師や日本語科の学生がいるので日常のコミュニケーションや何か困った時には日本語でコミュニケーションできます。特に学生は日本語コミュニケーションに興味を持っているので話しやい存在です。通常は情報共有のために微信(WeChat)やQQで連絡をするので、初めの頃は翻訳アプリなどを使って無理に中国語でコミュニケーションをするより簡単な日本語でコミュニケーションをすることをオススメします。

(2)授業の進め方

中国人教師は”間接指導”、日本人教師は”直接指導”ですので予めPPTなどで見せる資料を準備しプロジェクターで写しながら日本語で授業を進めれば、”見て+聞いて+話して+話させる”授業となり日本語だけの方が効果的です。

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(3)日本語を教えながら中国語を習う

日本人教師は学生に日本語を教えながら学生から中国語を習う気持ちで接することで学生との距離感が狭まります。”教科書を教える”ことに拘りすぎるとコミュニケーションを教えることが不足します。そこで”教える+習う”ことで相互関係ができ、コミュニケーションの基本である、相手が何を聞きたいか(読解力)?、相手が理解しやすいように話す(要約力)ことを教えるためにも”教科書で教える”ことを意識しましょう。

(4)大学が日本人教師に期待するところ

大学側は授業で日本人教師が中国語を使えることは期待しておらず、勤務外の日常生活で自身で活動してもらうための中国語力と学習意欲を期待しています。もし採用した日本人教師が全く中国語ができず、学習意欲もなければ大学側のサポートが大変だからです。大学側にできるだけ手間をかけないように自己管理能力の程度を採用時の大切な評価項目にしていることからもわかります。

(5)大学側が望む指導方法と成果

日本人教師を含み外国人教師に望むことはコミュニケーション力のアップです。そのために無理に中国語を交えた間接指導よりもネイティブな外国語をどのようにして理解させて答えられるように指導できるか?ですので、授業には中国語は不要です。

2、中国語の効率的な3つの学習方法とHSK

私の中国在住経験から最も効率的で確かな学習方法は、ピンインと単語を暗記し、他は日常生活の中からよく使うフレーズに慣れる学習方法です。日本を出国する時に”中国日常会話””すぐ使える中国語”などの書籍を数冊購入する方が多いと思います。これは何も始まっていない時点から自身に強いプレッシャーをかけるだけで良い方法とは思いません。実は私もそうでした。

(1)ピンインを暗記し使いカタカナ発音から脱却

中国語にはアルファベットに似た”ピンイン”があります。微信(WeChat)やQQで中国語を入力したり、中国文書を作成する時の入力方法です。このピンインを3ヶ月間程度集中して学習することをオススメします。ピンインを学習するときに注意することはピンインを文字としてカタカナで覚えないことです。このカタカタ発音が将来ににわたって邪魔をして会話力が上達しない原因になります。

(2)ピンインの音を聞き、真似して話します

例えば、ピンインで『Si』と『Shi』の発音の場合、カタカナで覚えようとすると全部『シ』となります。実際は”シ”より”ス”に近く『Si』=”ス”で舌を前歯上に当て、『Shi』”ス”で下を奥に丸めます。更に中国語特有の”4声”がありますので、カタカナで書いて覚えるのではなく、何度も聞いて真似して話すことを最初の3ヶ月間に徹底します。

私も2000年頃初めて独学で中国語を学習しようとしてカタカナ覚えの失敗からなかなか上達せず諦めた時期がありましたが、その後2ヶ月間中国人の先生からピンインを教えてもらい家ではCCTV4(中国電視4チャンネルNews)をBGMのように聞き、習ったピンインを耳で拾う練習が一番効果がありました。

(3)単語は覚える前に日常生活から分からない単語を集めます

わからない単語を集める習慣

仕事の時も、プライベートも時も小さなメモ帳を持ち歩き、分からない単語をその場で聞き、メモして覚えることを繰り返しました。使わない単語をいくら覚えても会話で使わなければ忘れますし楽しくありません。よく使う単語を先に覚えて使ってみることが上達への近道です。文法は英語の文法を基に徐々に中国の文法へ応用し覚えた単語を入れていけば、簡単なコミュニケーションができるようになります。

(4)HSK学習

世界で一番認知度の高い中国語検定なので長期的な学習計画を立てるならHSKに沿って学習することをオススメします。一方で最初からHSKを学習し始めると出口の見えないトンネルのようで続けるのはなかなか困難です。

中国語学習目的の第一ステップは日常生活で使いながら慣れることです。次に能力確認と正確さへの補正のため第二ステップとしてHSK学習をすることで着実に中国語力が身についていきます。

日常会話には約600語の単語や文法が必要でビジネスで使える中国語には約5000語以上の単語や文法が必要です。社会人にとって忙しい日々に時間を作り継続的に学習するのはとても難しいです。逆に忙しい日々の環境を利用して”言葉を拾って+覚えて+慣れる”方が楽しく無理なく続けられます。

私自身の経験では中国駐在10年目で初めてHSKを受験したところ5級でした。最上位に6級がありますが日常生活やビジネス現場では困らない程度でしたのでその後現在までHSKは受験していません。

口頭試験では全く問題はありませんが、筆記テストで多少の語彙力不足がありました。そのため今も中国人とのコミュニケーションには初対面の人とは時間がかかりますし、読解力不足があります。反省として中国在住2−3年後から5−6年かけてHSKのカリキュラムに沿って学習すればもっと正確な中国語が話せたのではないかと思っています。

3、まとめ

日本人教師に望むことはコミュニケーション力のアップです。ネイティブな日本語をどのようにして理解させて答えられるように指導できるか?ですので授業には中国語は不要です。

日本人教師は学生に日本語を教えながら学生から中国語を習う気持ちで接することで学生との距離感が狭まります。

効率が良く確実に身に付く中国語学習方法は、仕事の時やプライベートの時も小さなメモ帳を持ち歩き、分からない単語をその場で聞きメモして覚え、HSKは能力確認と正確さへの補正のため第二ステップとして受験勉強し受験することをオススメします。

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