【中国で実体験】日本語教師育成コース修了をお勧めするワケ

この記事でわかること

日本語教師育成コースは時間とまとまった費用がかかるので、受講しようか、どうしようか?迷っている方も多いでしょう。ここでは、コースを受講する前と実際に受講した後のその違いを体験談から説明します。

◯日本人だから日本語が教えられるとは限らない理由があります

◯教え方を工夫し興味を持たせることへの思考が身につきます

◯日本語学習に限界を感じる生徒を作るかどうかは教師の教え方次第です

◯間接指導とは比較にならない直接指導の奥深さ

好きに勝るものや楽しいに勝るものはないと言われるように、日本語育成コース受講前の私は教科書を教えていましたが教科書で教えることができるようになり、生徒に”好き、楽しい”を提供できるようになりました。

目次

1、日本語教師育成コース修了効果

(1)社会、文化、習慣、地域

日本語教師育成コースを受講する前までは、日本人だから日本のことは分かっていると思っていましたが、自身で分かっている日本と外国人に伝える日本は少し違うと実感しました。私たち日本人には、長い時間をかけて、家族や親族、地域、友達などと毎日の生活の中で自然と身についたことです。それに対して日本を知らない外国人に日本に興味をもってもらうため、日本語教育の一部としてどのように説明したらいいか?を育成コースで学ぶことができました。

例えば、、

”お辞儀、おもてなし、クッションワード、、”をなぜ使うのか?
標準語、共通語、方言
日本人はなぜナマモノが好きなのか
50HZと60Hz
曖昧な表現から相手を察する
結果を最後に話す
ばぜ日本の箸は先が尖っていて、中国の箸は尖っていないのか
地域により蕎麦とうどん文化が異なる
外来語の語源
英語を短縮した日本英語

などなど、、。

全てを日本語教師育成コースで学んだわけではありませんが、学ぶことで興味がわき”ちょっと調べてみようかぁ”という気持ちにさせてくれました。日本についての疑問はネット検索すれば理解できますが、予め理解して日本語教師を続けることと、疑問を持たないまま日本語教師をするのでは大きな違いがあります。長い歴史で培われた文化や習慣が備わっている日本人だけが対面式だから伝えることができるものでしょう。ネット配信型日本語教室では社会、文化、地域がわからなくても、自身が習った”言語構造”だけを教えます。結果、同じ時間をかけて学習した生徒の日本語力に違いが出てきます。この違いが社会、文化習慣、地域性を理解しているかしていないか?です。

例えば以下の2つのタイプの生徒を輩出すのは教師です

生徒<タイプA>

中国は今日本語ブームです。日本のアニメ、ドラマを見て日本語が好きになり”書けないけど、話せる”人が多くいます。アニメやドラマを通じて日本の社会、文化、習慣、地域性が好きになったことで、まるで”日本人のように”話すことができます。

彼らから相談を受けることで特に多いのが、”きちんとした日本語を学習したいから、初級から学習し直したい”。そのような生徒には受験対策コースとして、過去問を徹底して独学してもらい、1週間に1度程度分からないところだけを指導するようにして、初級から学習する必要はないと説明します。

生徒<タイプB>

日本語学校や大学で日本語を専攻した生徒で会話が上達しない生徒も多いです。主に言語学習として習う日本語を長年やってきて、日本語に慣れることが少ないからです。自身でもこんなに長く学習してなぜ会話が上手になれないのか?周囲から日本語学習して何年か?って聞かれるのが恥ずかしい、、・そんな生徒さんは徐々に日本語学習が苦痛になり嫌いになっていきます。

授業でタイプAのような生徒を輩出できるかどうかは、日本語教師が日本社会、文化、習慣、地域性をしっかりと理解して”日本を好きになってもらう気持ち”が大切です。母国を観察して誰よりも日本が好きになるために日本語教師育成コースは大切です。

私は日本語教育事業を始めて約13年になりますが、日本語教師育成コースを受講したのは、つい5−6年前です。受講前後で”日本語が上手になり会話力が身に付く”→”日本の社会、文化、習慣、地域性を理解してもらい興味をもってもらう”指導カリキュラムに変更しました。好きに勝るものはない、更に楽しいに勝るものはもっとないと思います。

(2)社会の中での日本語

ひらがな、カタカナ、漢字の使い分け
英語では通じない外来語
簡体形と敬体形、敬語と丁寧語と謙譲語
ら抜き言葉、若者言葉
書面語と口語
直接引用と間接引用
日本語学習の3つの壁(可能形、使役形、被動詞)
No1中国語
No2アラビア語
No3日本語
No4ハンガリー語
No5韓国語
世界の英語圏で難しい言語トップ5

日本語が”難しい理由”は文字の種類の多さ、擬声音の多さ、省略される語(主語や目的語)が多い、語彙数が多い、助詞の使い方が難しいなどがあります。日本語では外来語なのに英語で通じない言葉や、ひらがな、カタカナ、漢字の3つを使わなければいけないなど生徒は学習すれば学習するほど難しく感じています。更にN3級からN2級レベルになると尊敬語(丁寧語、敬語、謙譲語)が加わることで、日本語学習に限界を感じる生徒も多いです。

(3)言語一般、言語構造

名詞、助詞、動詞、形容詞、副詞
動詞、形容詞の変化
文法
直接指導と間接指導

関連記事:中国日本語教師は資格より社会経験と指導方法

日本語だけで教える直接指導

最も参考になったことは、間接指導→直接指導の方法の一部として、”教科書を教える→教科書で教える”ことです。理解不足な所を復習時に教科書を見るだけで、授業の大半は日本語を日本語で教えます。そのためにオリジナリティある見せる資料を作成し、結果、大学では今まで、“文法は中国人教師、会話は日本人教師”と線引きされていましたが、初めて日本人教師が文法〜会話まで一貫して指導できるようになり、生徒は直接指導による日本語に触れる時間が長くなり見て理解する読解力と聞く力を養うことができました。自社の日本語学校では教師の属人性を無くする指導方法の標準化ができとても大きな進歩です。

2、オリジナリティのある指導方法思考効果

オリジナリティのある指導方法思考

直接指導のための資料作成にはゴールがなく、作る→授業で試す→修正→授業で使う→修正の繰り返しで、日本語教師育成コース修了数年経った今も修正を繰り返しています。日本語表示に対して中国語全訳しなくても、部分的に中国語訳をつければ更に理解度が増し、日本語力の上達に伴い日本語だけで生徒たちは理解できるようになります。これが直接指導の効果なんです。

ビジネスマン時代に使い倒したPowerPoint経験が本当に役に立っています。3原色、8:2〜7:3レイアウト、見出しフォントサイズ、アニメーション、リンクなどなど覚えているもんですね。

3、まとめ

日本語教師をするなら、日本語教師育成コースを修了した方が絶対良いと実感

指導方法の基礎固めと日本社会や文化習慣などを見直すことででオリジナリティある幅広い指導ができます

直接指導はオリジナリティある指導方法の発想に役立ち、生徒は”見て+聞いて+話す”日本語に触れる時間を増やすことができます

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